CASE STUDY 株式会社ジェイマックシステム
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株式会社ジェイマックシステム
H-IXと遠隔地データセンターを活用し、医療現場に最適なシステム基盤をプライベートクラウドで構築
1989年の創業以来、放射線画像IT分野のパイオニアとして、医療現場のニーズに応える最新の医療IT製品とサービスを提供している株式会社ジェイマックシステム。
2008年にH-IXの利用を開始し、2017年には、それまで個別に構築していた複数のシステム基盤の統合を進め、2019年10月からはH-IXに加え九州の旭化成ネットワークスのデータセンターを利用して医療サービス向けのプライベートクラウド基盤を展開しています。その使用感や、今後の展望などについてお聞きしました。

(株)ジェイマックシステムクラウド事業部の皆様。
左から星山さん、藤吉主任、臼井部長、関根課長、金田さん
株式会社ジェイマックシステム
〒060-0034
北海道札幌市中央区北4条東1丁目2-3 札幌フコク生命ビル10F
TEL.011-221-6262(代表)
営業所/東北営業所、東京営業所、名古屋営業所、大阪営業所、九州営業所
デジタル化と医療情報共有で、医療機関のニーズに応えて30年
「弊社は、放射線科のレントゲン画像をデジタル化していくところから事業をスタートして以来、医療分野のシステム開発やシステム構築などさまざまなサービスを提供しています」と解説してくれたのは、クラウド事業部の星山さん。
医療制度改革や社会保障制度の変化により、医療機関を取り巻く経営環境がますます厳しくなるなか、業務効率の向上はもちろん、医療の質を高め、患者様へのサービスを向上させるためにも、医療分野のIT化は欠かすことができません。
医療現場では、検査装置のデジタル化や病院全体のIT化が急速に進む一方で、膨大なデータ量になる医療情報の管理や、複雑化するシステム、膨らむ運用管理コストなど、課題も山積しています。ジェイマックシステムではそれらの課題に対応するため、クラウド活用など、常に医療現場の視点に立ったシステムを構築し、個々の医療機関にふさわしい、きめ細かなサービスの提供を心がけています。
システム基盤のプライベートクラウド化で、サービスの使い勝手向上とコスト削減を両立
高度かつ重要な個人情報である医療データは、管理運用面はもちろん、コスト面でも、医療機関にとって大きな負担を強いることになります。検査機器のデジタル化により膨大となる画像データを「自ら持ちたくない」というクライアントのニーズも切実なものです。
しかし、すべての情報を院外で扱うには帯域や安全面で各医療機関の通信環境の整備が必要になることから、ジェイマックシステムでは、各医療機関における医療情報は直近数年分のみを病院内で保管し、それ以前の情報はデータセンターに保管するサービスを構築しました。
病院側では使用機会の多い直近の情報のみを保管することで、通信状況に関わらず、ストレスなく情報の閲覧等ができます。一方、使用機会の少ない過去の情報については院外のクラウド上に保管することでデータバックアップの役割も果たし、使い勝手の良さとコスト面の両立を図るサービスとなっています。
これまでジェイマックシステムでは画像診断システムのほかにも放射線部門の業務支援システムや診療支援アプリケーションなど、さまざまなシステムを構築していく過程で、システムごとにその基盤となる機器が増加していました。例えば、2008年にH-IXに構築した遠隔読影システムとクラウドPACSを組み合わせ、医療機関の間におけるデータ連携を行っていましたが、このデータ連携では同じ患者様のデータがシステム間を行き来することになり、データ送受信の無駄が生じていました。
今回、H-IXにプライベートクラウドのシステム基盤を構築することで、各所にあったデータや機器が統合され、大幅な効率化と合理化を図ることができました。
プライベートクラウドシステムのイメージ図

データセンターの活用で広がる開発の可能性と事業継続性の信頼度アップ
プライベートクラウドシステム基盤全体についてH-IXに設置した背景には、2008年の利用開始以来、さまざまな要望に対するH-IXセールスサイドのきめ細かな対応に加えて、電力系のデータセンターとして、電源に対する信頼度の高さも大きなポイントとなりました。
実際、2018年9月の北海道胆振東部地震の際には、2系統あるH-IXへの商用電源がいずれも断たれましたが、非常用電源に自動で切り替えることで約10時間後の商用電源回復まで電力が供給され、サービスを停止することなく運用することができました。
また、電子的に医療情報を扱う際の情報セキュリティ等に関する3省3ガイドラインにもマッチした対面による入退室管理、筆記記録や監視カメラの記録の保管、24時間365日の有人監視体制など、物理的なセキュリティ対策が万全なことにも、医療データを扱うジェイマックシステムとして安心感があり、評価しています。
さらに、2019年10月に運用開始したプライベートクラウドのシステム基盤では、提携先のデータセンターを含めたH-IXの提案により、北海道のH-IXをプライマリとして、九州にある旭化成ネットワークスのデータセンターをセカンダリサイトとして構築。昨今多発する大規模自然災害や大震災などのリスク発生時に備え、またそのような緊急時にこそ、患者様の大切なデータを失うことのないよう、同時被災の可能性がほとんどないと想定される北海道と九州のデータセンターを活用することで、医療機関の事業継続性を実現するBC/DR環境の構築が可能となりました。
H-IXを利用することで、“いつでもすぐに相談や交渉ができるスピード感”や“そばにいる安心感”があることは、進化の目まぐるしいシステム開発の現場で大きなアドバンテージとなっています。
安心・安全の管理体制を誇るデータセンターの信頼度とともに、ジェイマックシステムとH-IXとの信頼の絆も利用年数を重ねるごとに強固になっています。

パブリッククラウドを組み入れたサービス提供で、さらなる活用へ
5G時代を迎え、超高速・大容量通信などに注目が集まっていますが、ジェイマックシステムが考える今後の展望は、システム基盤のハイブリッド化を図ることです。
プライベートクラウドには「リソースの専有化」や「データの機密性」、AWSやGCPといったパブリッククラウドには「導入の迅速性」や「スケーラビリティ」といった異なるメリットがあります。H-IXにあるプライベートクラウドをパブリッククラウドへ接続し双方の”良いところ取り”のシステム基盤へ進化させることにより、適材適所で機動性の高いサービス展開が可能になります。
医療機関の目線で使い勝手の良いシステム開発とサービス提供を行ってきたジェイマックスシステムでは、今後、その質や精度をさらに追求し、大きな投資の難しい小規模クリニックに向けても、利便性の高いシステムの構築を行い、導入しやすい価格帯でサービス提供していくことを目指しています。
名刺に刻まれた「For the patient. 患者様のために。」の言葉を胸に、より高度な医療システムの構築と現場ニーズに応えるサービスの提供を目指し、ジェイマックシステムとH-IXはこれからも固く手を携えていきます。
H-IX DR/BCP Solution
提携データセンターとの連携で、相互バックアップによるDR/BCP対応力を強化

近年の相次ぐ自然災害の影響もあり、災害対策や事業継続計画への対応は喫緊の課題となっています。
IT技術の進歩やコスト低減もあり、以前は導入に躊躇していた中小企業や、行政機関、自治体や医療機関などでも遠隔地バックアップによるDR/BCP対策への取り組みが進んでいます。
H-IXでは、お客様のニーズに合わせたシステム導入や運用のサポートを含め、提携データセンターとの連携をはかり、最適なご提案を行っています。
◯さまざまなネットワークに対応
◯オンプレミスとの連携が可能
◯柔軟な運用サポート
◯遠隔地バックアップオプション