CASE STUDY 旭化成ネットワークス株式会社 - 高品質データセンターの遠隔地バックアップサービスサイト構築

北海道札幌市・H-IX データセンター > コラム・事例 > 旭化成社のデータセンター遠隔地バックアップサイト構築事例

世界的な総合化学メーカー、旭化成株式会社の創業の地である宮崎県延岡市に、2003年、新規事業のひとつとして設立された旭化成ネットワークス株式会社。札幌のH-IXデータセンターとの提携による「遠隔地バックアップサービス」の提供を開始しました。同時被災回避などの観点で遠隔地でデータセンターをバックアップするニーズが高まっています。旭化成グループの豊富で安定した電力供給とインフラ運用技術を背景に、充実したサービスメニューと運用・監視サービスの提供、高度な保守体制の確立で、お客様の災害時における事業継続計画(BCP)ニーズに貢献しています。近年、さらなるサービス強化を図るために延岡市の高品質データセンターを見学させていただきながら、旭化成ネットワークスの事業への取り組みや今後の展望をお聞きしました。

日本夜景遺産に認定されている愛宕山からは、
旭化成の工場群が美しく照らし出される

旭化成ネットワークス株式会社の皆様

旭化成グループのエネルギー資産とインフラ運用技術を活用

宮崎県北部に位置する延岡市は旭化成創業の地であり、現在もグループ最大の工場群を擁する国内の主要生産拠点です。2003年10月、情報通信分野の新たな市場をターゲットとし、品質の高いデータセンターと通信ネットワーク基盤を広くみなさまにご提供することを事業の柱に、旭化成ネットワークス株式会社がこの地に設立されました。

旭化成グループ所有の水力発電所(7か所)・火力発電所(3か所)の豊富な電力に加え、自社設備の太陽光発電・非常用発電機など安定したインフラ環境を有し、強固な地盤の上に耐震構造で独立した平屋の建屋を建設。データセンター専用に設計・構築された最先端の施設・設備を備え、正社員のオペレータによる24時間365日体制の運用・ 監視サービスを提供。さらに、ハードウェア保守会社も常駐しており、ハードウェア障害などに即時対応が可能です。

旭化成グループのエネルギーインフラとインフラ運用技術を強みとしたデータセンター事業者として、トップレベルの安全性と品質でお客様の大切な情報システム、情報資産を守り、さまざまなサービスを提供するとともに、お客様のニーズに真摯にお応えしています。

H-IXは首都圏や大都市との同時被災の心配が少なく、データセンター環境構築に最適

2011年の東日本大震災をきっかけに「大都市での災害等不測の事態に対応する事業継続対策」をはじめ、「個人情報保護・情報漏洩・サイバーテロ等のセキュリティ対策」が強く求められています。そのような状況のなか、旭化成ネットワークスは地方にあるデータセンターとして、大都市の大災害時に「設備・機器が停止しない」「安全性が高い」という理由から、BCP・DRに最適であると高い評価を得ています。事実、「宮崎データセンター」を利用されているお客様の多くは東京・大阪など大都市の企業であり、その業種も多岐にわたります。

実際にデータセンターを見学させていただくと、企業の事業継続において何より重要な"目に見えない情報"を安心して預けることのできる環境が整っているだけでなく、センター内の安全衛生対策も旭化成グループの工場並みの厳格さが徹底されています。つまり、宮崎データセンターでは確かな安心がはっきりと"目に見える"のです。

さらに近年、予想し得ない大災害が頻発していることを受け、「安全に絶対はない」との観点から、あらゆる場面で万が一を想定し、お客様データの安全を守ることが急務とされています。そのため、データ保存の一極集中化を避けてリスク分散を図る「遠隔地バックアップサービス」の重要性が高まり、首都圏や大都市をはさんで九州とは対極に位置し、同時被災の心配が少ない地域として北海道が候補にあがり、多角的な視点から提携先を考慮された結果、札幌市にあるH-IXデータセンターが選ばれました。札幌市は冬季の積雪は多いものの、地震、台風、洪水などの自然災害が極めて少なく、都市機能も整った好立地です。またH-IX選定にあたっては「データセンターとしての設備的な安心感もさることながら、お客様のデータを誰がどのように運用しているかという品質保持とリスク管理を重視する企業姿勢への信頼が最大の評価理由で、電力グループの運営による電源の確実さも決め手のひとつだった」といいます。

インフラサポート部の磯部敏朗部長はH-IXとの提携理由について「電力やものづくりをベースに社会基盤を支えるという両社の成り立ちや施設・設備の安心感、お客様のニーズにきめ細かく対応する姿勢など、事業の考え方や取り組み方に相通ずるものを感じました」と語り、1,400kmもの距離を超えたパートナーの相性も抜群のようです。

九州地区トップクラスのファシリティを誇る「宮崎データセンター」

宮崎県延岡市は大都市から遠隔地にあり、広域災害に強く、BCP(事業継続計画)・DR(災害復旧)に最適な立地です。30km圏内に活断層は発見されておらず、独自の地盤調査により液状化の心配もありません。

建物はデータセンター専用の独立平屋建てにより、耐震性・耐火性に優れ、官庁施設に求められる総合耐震計画基準の最高水準に準拠して建てられており、非常に堅牢な構造となっています。また、サーバルームには免震床を採用し、お客様の大切な情報システムを守っています。さらに、国土交通省の河川氾濫シミュレーションに基づき、地盤面から2.4mの洪水対策、設備増強による津波対策も実施。入退館・入退室の認証システムや厳重なデータ管理など、セキュリティ体制も万全です。

電力は、旭化成グループの発電所群から地中埋設により2系統で受電。万が一に備え、データセンター構内に非常用発電機も設置し、安定した電力を提供しています。電力会社に依存していないため、計画停電などの影響も受けません。また、環境面でも水力発電、バイオマス発電、太陽光発電のクリーンな電力により環境負荷低減に寄与しています。

企業の事業継続計画に応える、充実のサービスメニューと柔軟な対応

「お客様に提案できるデータセンター」をコンセプトに、旭化成ネットワークスはお客様の多様なニーズに応じた充実のサービスを提供しています。

お客様システムを収容するためのラックをご利用いただく「ハウジングサービス」では、免震対策を施したサーバルーム、高品質な電力、適温・適湿に管理された空調設備を提供しています。また、信頼と実績のある「クラウドサービス」は、豊富なオプションメニューと柔軟なカスタマイズを用意して、お客様の課題を解決へと導きます。

サービスを提供するうえで最も重視しているのが、お客様のご要望に対して、大手にない小回りの利く柔軟な対応により課題解決を図っていくことです。システムの導入、ネットワーク監視、効率的な運用などをパッケージで提案したり、時にはお客様とベンダー(メーカー)の間に立ち、中立的な立場から機器やシステムの選択をサポートし、お客様にとって最適なメニューを作り上げ、確かな信頼関係を築いています。

宮崎・延岡と札幌、日本の南と北から企業支援のあり方を模索

データセンターの機能拡充と同時に、クラウドサービスに遠隔地バックアップサービスを加え、より一層のサービス強化を図る旭化成ネットワークス。今後の展望について鈴木社長は次のように語ります。「 お客様のサーバをお預かりする従来のハウジング事業から、サーバ環境を提供する付加価値の高いホスティング事業へと転換を図り、順調に軌道に乗っています。 また、クラウド事業においても、旭化成グループ向けのクラウドビジネスを発端に、実績を積み重ねています。 今後は首都圏だけでなく、九州の自治体や民間企業なども含め、より地域にも貢献していきたいと考えます。

さらに、全国にさまざまなデータセンターがある中で、今後はすべてを自社で行うのではなく、他のデータセンターとネットワークを構築し、それぞれの特色を活かしながら、協同していくことが重要でしょう。 つまり、弊社の札幌データセンターがH-IXであり、H-IXの九州データセンターが弊社であるというように、互いが蓄積した情報やケーススタディを持ち寄って共に研究を重ね、お客様の多様なニーズに的確かつ柔軟にお応えできるサービスの提供を図っていくことが大切だと考えます」。

遙かなる距離を超え、強いパートナーシップで固く結ばれた2つのデータセンターの新たな挑戦が今始まります。

●旭化成ネットワークス株式会社

HP/http://www.aknws.com/

〒882-0847 宮崎県延岡市旭町3丁目1番地1
TEL:0982-22-2880(代表)

設立:2003年10月

事業開始:2004年8月

資本金:4億円(旭化成株式会社100%出資)

主要事業:インターネットデータセンター事業、ネットワークサービス事業

■受賞歴

「ASP・SaaS・クラウドアワード」(総務省・経済産業省後援)

2012年度 IDC部門 準グランプリ受賞
(2007・2008年度、2009年度、2011年度受賞)

■取得認証

ISO/IEC 27001(JQA-IM0249)、ISO14001(JQA-EM0561)、
JEITA IT 1002、JEIT ITR 1001B、
プライバシーマーク、倉庫業 登録第6057号、届出電気通信者 H-16-845

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